【現場ルポ】病院厨房の「女帝」と凍り付く空気。ベテランの責任感と、その先にある課題

人間関係・成功法則

先日、初めてヘルプに伺った病院の厨房。そこには、長年現場を守り続けてきた「主(ぬし)」とも言えるベテランの方々の姿がありました。

1. 厨房に響き渡る怒号と、その裏にあるもの

作業中、突然の怒鳴り声に耳を疑いました。10年以上勤める60代前後のベテラン女性パートさんが、ミスをした男性パートさんを叱責する声です。

「何やってるのよ!」「〇〇やったの!?」

一見するとただの感情的な怒りに見えますが、彼女たちはフルタイムで昼夜の現場を回す「かなめ」。食事の提供時間を絶対に遅らせてはならないという、強い責任感の裏返しでもあるのでしょう。

しかし、その必死さが「ピリピリした空気」を生み、若いマネージャーさえも口を出せない聖域を作ってしまっている。その結果、新人が居着かないという悪循環が生まれているようでした。

2. 「見えない境界線」と賄い時間の違和感

驚いたのは、賄い(まかない)の時間の座席です。 センターテーブルに座るベテラン勢と、離れたサイドテーブルに置かれた私やミスをした男性の食事。

まるで明確な区別があるかのようでしたが、私はあえてセンターテーブルに歩み寄りました。朝5時出勤の際、道に迷って大変だった話などを振り、少しでも空気を通わせようと試みたのです。

3. 身体に追い打ちをかける「深いシンク」

精神的な緊張に加え、物理的な辛さもありました。洗浄作業で使ったシンクが異常に深く、前かがみの姿勢が続きます。朝早くからの勤務で、腰にはかなりの負担がかかりました。

持ち物で疲労は変わる

これは本当に大きかったです。

立ち仕事は技術より
身体の負担が影響します。

私が助かった物を置いておきます。

滑りにくい厨房シューズ
最初に変えて一番楽になったのが靴でした。
厨房は思った以上に床が滑ります。
足の疲れ方が大きく変わったので、早めに用意した方が楽です。
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小さいメモ帳
新人の頃、手順を書こうとして覚えられませんでした。
役に立ったのは“失敗したことだけ”を書くメモでした。
胸ポケットに入る小さいサイズが使いやすいです。
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ポケットタイマー
厨房は“覚える仕事”より“時間の仕事”でした。
同時に何品も動くので、頭で覚えると必ず抜けます。
タイマーを持つだけで注意が減りました。
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手荒れ防止クリーム
給食の仕事で一番驚いたのは手荒れでした。
手洗いと消毒の回数が多く、指が割れます。
早めに対策した方が楽になります。
私が愛用しています。仕事後におすすめ。
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腰サポーター
立ち仕事は想像以上に腰にきます。
仕事に慣れる前に体がつらくなると続きません。
私はこれでかなり楽になりました。
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新人の頃、
仕事より先に体がきつくなります。

体の負担が減ると、覚える余裕が生まれます。


今回の教訓:ベテランの「背負いすぎ」をどう解き放つか

今回の経験を通じて、私は改めて**「現場の空気作り」**の重要性を痛感しました。

  • 責任感の「出口」を間違えない 現場を愛し、責任感が強いからこそ、ミスが許せなくなる。その気持ちは痛いほど分かります。しかし、そのエネルギーが「怒号」として出ると、周囲を萎縮させ、結果的に全体の効率を下げてしまいます。
  • 「教える」と「怒る」の境界線 40年接客や調理の現場に身を置いてきた私から見れば、どんなに仕事が遅い相手でも、恐怖で動かそうとすれば心は離れてしまいます。余裕を持って仕事を進めるためには、技術以上に「心理的安全性」が必要なのだと再確認しました。
  • 自ら壁を壊しに行く姿勢 サイドテーブルに追いやられても、自らセンターへ話をしに行く。こうした小さな歩み寄りが、いつか凍り付いた現場を溶かす一石になると信じています。

たとえヘルプという立場であっても、ただ作業をこなすだけでなく、その現場が抱える課題を冷静に見つめる。それは、長年この世界で生きてきた私にできる「恩返し」の一つなのかもしれません。

腰の痛みはまだ残っていますが(笑)、この経験もまた、自分の糧にしていきたいと思います。

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