こんにちは、かずおです。
私は60代で給食業界へ転職し、今は介護施設の厨房で調理の仕事をしています。
その前は飲食の現場で40年。店を経営しながら、たくさんのお客さんやスタッフと関わってきました。
その経験の中で身についたのが、私がよく言う**「人を見る力」**です。
ただ、この“人を見る力”というのは、相手の性格を当てることではありません。
むしろ逆で、目の前の態度だけで決めつけないこと。
違和感があったときに、すぐ結論を出さず、少し観察して、少し話してみることだと思っています。
今回は、介護施設の厨房で一緒に働く50代の女性パートさんとのエピソードを書きます。
仕事はできる。
真面目。
返事もはっきりしていて、聞けば明確に答えてくれる。
でも、ずっと気になっていたことがありました。
それは、みんなの話の輪に入らないことです。
この記事では、
- 話に入らない人を「やる気がない」と決めつけてはいけない理由
- 厨房で見えた“人見知り”のサイン
- 人を見る力とは何か
このあたりを、現場の実体験から書いてみます。
仕事はできるのに、なぜか話の輪に入らない人がいた
介護施設の厨房には、いろいろなタイプの人がいます。
明るくよく話す人。
冗談を言って場を和ませる人。
黙々と仕事をこなす人。
自分から前に出るのは苦手だけれど、頼まれたことはきっちりやる人。
今回の女性パートさんは、まさに最後のタイプでした。
仕事はしっかりしている。
真面目で、雑なところがない。
話しかければ返事は明確で、こちらとしても仕事はしやすい。
ただ、ひとつだけ気になることがありました。
口数が少ない。
そして、みんなの話の輪に入らない。
たとえば盛り付けの時間。
厨房では、「この向きがいい」「こっちの方が早い」「人数が多いから並べ方を変えよう」など、ちょっとした相談がよくあります。
でも、周りがそんな話をしているときでも、彼女はその輪には加わらず、別の作業をしていることが多かったのです。
もちろん、感じが悪いわけではありません。
呼べば来るし、返事もちゃんとする。
仕事をサボるわけでもない。
でも私は、ずっと少し引っかかっていました。
- なぜ話に入らないのだろう
- 仕事が面白くないのかな
- 周りと関わる気がないのかな
- もったいないな
そんなふうに感じていたのです。
給食現場では「無口な人=やる気がない」と誤解されやすい
給食や厨房の現場は、黙々と手を動かす仕事でもありますが、同時に連携がとても大事な仕事です。
盛り付け、洗浄、配膳、片付け。
時間との勝負になることも多いので、ちょっとした声かけや相談が、そのまま仕事のやりやすさにつながります。
だからこそ、口数が少なく、輪に入らない人は、どうしてもこう見られやすい。
- 何を考えているか分からない
- やる気がなさそう
- あまり馴染む気がないのかな
- 仕事がつまらないのかもしれない
でも、私はこういう見方は危ないと思っています。
なぜなら、無口な人が本当にやる気がないとは限らないからです。
話に入らない人が、職場に不満を持っているとも限らない。
ただ単に、人見知りだったり、大勢の会話に入るのが苦手だったり、タイミングがつかめないだけのこともあります。
見えている態度だけで判断すると、その人の本当の姿を見誤ります。
違和感があったら、すぐに決めつけない
私は、こういうときにすぐ結論を出さないようにしています。
接客の仕事を長くやってきて、何度も思い知らされたからです。
愛想が悪く見えた人が、実はものすごく緊張していただけだった。
ぶっきらぼうに見えた人が、後から一番気を使ってくれていた。
無口な人が、1対1では驚くほど話すこともありました。
人は、見えている態度だけでは分かりません。
だから私は、この女性パートさんにも、もう少し近づいてみようと思っていました。
無理に輪に入れるのではなく、まずは1対1で話せるタイミングを待つことにしたのです。

対面の盛り付けで、ようやく本音が見えた
何日か前、彼女と対面で盛り付けをする時間がありました。
厨房では、同じ空間でみんなが動いていても、立ち位置や作業によって、ふっと1対1で話せる瞬間が生まれます。
その日は、まさにそんなタイミングでした。
私は、仕事のことから少しずつ話しかけました。
- この盛り付け、やりやすいですか?
- こういう現場は長いんですか?
- この作業、結構気を使いますよね
いきなり踏み込まず、相手が答えやすいところから入る。
これも、現場で人と距離を縮めるときに大事なことだと思っています。
そうやって少し話しているうちに、彼女がぽつりと言いました。
「私、人見知りなんです」
ああ、そういうことか。
私はそのとき、ずっと感じていた違和感が、ようやくつながりました。
話に入らないのではなく、「入りにくい」だけだった
彼女は、やる気がないわけではありませんでした。
仕事がつまらないわけでも、周りが嫌いなわけでもなかった。
ただ、人見知りで、みんなの輪の中に入るのが苦手だったのです。
言われてみれば、納得できることばかりでした。
1対1で話しかければ、ちゃんと答える。
返事も明確。
会話そのものができないわけではない。
でも、みんなが同時に話している場になると、そこに自分から入るのは難しい。
何を言えばいいのか、どのタイミングで入ればいいのか分からない。
あるいは、そこに入るだけで疲れてしまう。
そういう人は、職場では少し損をします。
話さない。
雑談に入らない。
自分から前に出ない。
それだけで「壁がある人」に見えてしまうからです。
でも実際は、壁があるのではなく、入り方が分からないだけかもしれない。
ここを見誤ると、もったいないなと私は思います。
人を見る力は、「見抜く力」ではなく「決めつけない力」
私はよく、自分の強みとして「人を見る力」を挙げます。
でも最近は、ますますこう思うようになりました。
人を見る力とは、相手を見抜く力ではなく、
簡単に決めつけない力なのではないかと。
輪に入らない人を見て、「やる気がない」と決めるのは簡単です。
無口な人を見て、「感じが悪い」と決めるのも簡単です。
でも、そこで一度止まる。
本当にそうなのか。
1対1なら違う顔が見えるのではないか。
何か理由があるのではないか。
そこを見にいくのが、人を見る力だと私は思っています。
今回の女性パートさんも、最初の印象だけで判断していたら、
「無口な人」「輪に入らない人」で終わっていたかもしれません。
でも、少し話してみたら違った。
“人見知り”という一言で、見え方が変わりました。

給食現場の人間関係は、「話せるかどうか」より「安心して話せる相手がいるか」が大事
給食現場では、もちろん連携が大事です。
でも、全員が同じように明るく、同じように輪の中心にいなければいけないわけではありません。
口数が少なくてもいい。
雑談が苦手でもいい。
ただ、困ったときに一言言える。必要なときに返事ができる。少しずつでも関係が作れる。
それで十分な人もいます。
私は今回の彼女を見て、改めて思いました。
人は、話さないからといって何も考えていないわけではない。
輪に入らないからといって、やる気がないわけでもない。
ただ、その人なりの入り方があるだけなのだと。
まとめ|無口な人を「やる気がない人」にしないために
今回のエピソードから、私が改めて感じたことをまとめます。
話の輪に入らない人を見たとき、すぐに決めつけない
- やる気がない
- 職場が嫌い
- 周りと関わる気がない
そう決める前に、**「ただ人見知りなだけかもしれない」**と一度考えてみることが大事です。
1対1になると、見え方が変わることがある
大勢の中では話せなくても、1対1なら普通に話せる人はいます。
現場では、対面作業やちょっとしたタイミングが、関係づくりの入口になります。
人を見る力は、相手を見抜くことではない
人を見る力とは、最初の印象だけで判断せず、少し観察し、少し話してみること。
そこから、その人の入り方を探すことだと私は思っています。
次回は「輪に入れない人と、どう関わるか」を書きます
今回は、**「話に入らない人は、やる気がないわけじゃない」**という話を書きました。
では、こういう「仕事はできるのに輪に入りにくい人」と、現場ではどう関わればいいのか。
無理に変えようとしない関わり方、1対1の会話の作り方、職場に馴染んでもらうための考え方について、次回の記事で書いてみます。
もし同じように、職場で「無口な人との距離感」に悩んでいる方がいたら、少しでも参考になればうれしいです。

かずお|人を見る力 × AI
60代。介護施設の給食現場で働く調理師。
都心ホテル、東京・虎ノ門での店の経営など、40年にわたり接客の現場で約96万人のお客様と向き合ってきました。
現在は「人を見る力」と「AI時代の学び」をテーマに、ブログ・note・Xで発信しています。
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職場の人間関係や、給食現場で感じたことは、ほかにも記事にしています。
気になるものがあれば、あわせて読んでみてください。
また、ブログでは書ききれない体験談や、より濃い人間関係の話はnoteにもまとめています。
興味があれば、そちらものぞいてみてください。
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40年96万人接客で学んだ「人を見る力」をnoteにまとめています。
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