【給食現場の人間関係】輪に入れない人をどう職場に馴染ませるか|無理に変えない関わり方

給食調理・人間関係

こんにちは、かずおです。

前回の記事では、介護施設の厨房で一緒に働く50代の女性パートさんについて書きました。

仕事はできる。
真面目。
返事もはっきりしている。
でも、みんなの話の輪にはあまり入らない。

最初は「仕事が面白くないのかな」「あまり関わる気がないのかな」と感じていましたが、対面で話してみると、彼女はこう言いました。

「私、人見知りなんです」

この一言で、見え方が変わりました。

彼女は“話したくない人”ではなく、みんなの輪に入るのが苦手な人だったのです。

では、こういう「仕事はできるのに輪に入りにくい人」と、給食や厨房の現場ではどう関わればいいのか。
今回は、私が今考えている関わり方を整理してみます。


結論|輪に入れない人は、無理に変えようとしない方がうまくいく

こういうタイプの人を見ると、周りはつい思います。

  • もっとみんなと話した方がいい
  • 輪に入った方が仕事しやすいのに
  • 自分から入ってくればいいのに

でも、私はここで無理をさせない方がいいと思っています。

なぜなら、本人にとっては、そこが一番しんどい場所かもしれないからです。

大勢の会話に入る。
雑談の輪に自分から入る。
誰かの話にタイミングよく乗る。

これが自然にできる人もいれば、ものすごく疲れる人もいます。

だから、こういう人に必要なのは、
「もっと明るくなって」でも、「もっと輪に入って」でもありません。

まず必要なのは、この職場に“安心して話せる相手”を一人作ることだと私は思っています。


1. まずは1対1の会話を増やす

私が最初にやろうとしているのは、すごく地味なことです。

それは、1対1で話す回数を増やすこと。

長話をする必要はありません。
毎回深い話をする必要もない。
ほんの30秒、1分でいい。

たとえば、こんな声かけです。

  • 今日、この作業やりやすいですか?
  • この盛り付け、前より早くなりましたね
  • ここ、ちょっと忙しかったですね
  • このやり方、〇〇さん的にはどうですか?

大事なのは、会話の内容よりも、
「この人は自分に話しかけてくる人だ」と思ってもらうことです。

そしてもうひとつ大事なのが、
「この人と話すのは疲れない」と感じてもらうこと。

人見知りの人は、会話が嫌いというより、会話に入るまでのハードルが高いことがあります。
だから最初は、「気軽に返せる会話」を積み重ねる方がいいと私は思っています。


2. 無理にみんなの輪へ連れていかない

これは、やってしまいがちなことです。

人見知りの人を見ていると、善意でこうしたくなることがあります。

  • みんなで話してるから、こっち来なよ
  • 〇〇さんはどう思う?
  • もっと話していいんだよ

でも、こういう声かけが逆にしんどい人もいます。

本人からすると、まだ準備ができていない場所に、急にライトを当てられるようなものだからです。

私は、無理に“みんなの輪”へ引っ張るより、
まずは1対1で安心して話せる状態を作る方が先だと思っています。

輪に入るのは、その後でいい。
もしかしたら、最後まで大きな輪には入らないかもしれない。
でも、それで仕事に支障がないなら、私はそれでもいいと思っています。


3. 仕事の話から入る。雑談はそのあとでいい

人見知りの人に、いきなりプライベートの話を振っても、うまくいかないことがあります。
特に厨房や給食の現場では、雑談が得意じゃない人も多いです。

だから私は、まず仕事の話から入る方が自然だと思っています。

たとえば、

  • この盛り方、やりやすいですか?
  • こういうとき、どっちが早いと思います?
  • 前の職場でもこういうやり方でした?
  • この作業、結構気を使いますよね

仕事の話なら、相手も答えやすい。
しかも、その人の考え方や丁寧さも見えてきます。

そこで少し会話ができるようになったら、はじめて軽い雑談を混ぜる。

  • 朝、暑かったですね
  • 休みの日はゆっくりできました?
  • 通勤って遠いんですか?

この順番が大事だと思っています。


4. 「聞いたら答える人」を、「少し意見を言える人」に変えていく

今回の女性パートさんは、話しかければちゃんと答えてくれます。
これは大きいです。

つまり、完全に閉じているわけではない。
入口はもうある。

ならば次にやるのは、答えるだけの会話から、一言意見を言える会話に変えていくことです。

たとえば、こんな聞き方です。

  • AとBなら、どっちがやりやすいですか?
  • これ、〇〇さんならどう並べます?
  • この盛り付け、改善するとしたらどこですか?

ここで、相手が少しでも自分の考えを言えたら、それは大きな前進です。

そして、その意見をこちらがちゃんと受け取る。

  • なるほど、それ分かりやすいですね
  • たしかに、その方が早いですね
  • それいいですね、今度やってみたいです

こういう返しがあると、相手の中に
「この人に言っても大丈夫なんだ」
が少しずつ積み上がっていきます。


5. 皆の前で急に振らない。橋渡しだけする

1対1では話せても、みんなの前になると固まる人はいます。
だから、いきなり全体の場でこう振るのは避けた方がいいと思っています。

  • 〇〇さんはどう思う?
  • 〇〇さん、何か言ってくださいよ

やるなら、橋渡しくらいがちょうどいい。

たとえば、盛り付けの話になったときに、

  • 〇〇さん、この前こういうやり方が見やすいって言ってましたよね
  • たしか〇〇さん、こっちの方がやりやすいって話してましたよね

と、本人が1対1で話してくれたことを、軽く場に置く。
ゼロから発言させるのではなく、すでに出た意見を置いてあげる形です。

これなら、本人も入りやすい。
そこで一言でも補足できたら、十分です。


6. 雑談より、「役割」で輪に入る人もいる

職場には、雑談で輪に入る人もいれば、役割で輪に入る人もいます。

  • この人は盛り付けが丁寧
  • この人は確認が正確
  • この作業はこの人に聞けば早い

こういう“役割”ができると、会話が得意じゃなくても、自然に周りとの接点が増えていきます。

私は彼女を見ていて、こういう入り方の方が合うかもしれないと思っています。

無理に雑談の中心に入れるより、
「この人はここが安心」という立ち位置を作る方が自然です。


7. 人を変えるより、話しかけやすい空気を作る

私は、人を見る力というのは、相手を変える力ではないと思っています。

無口な人を明るく変える。
人見知りの人を社交的にする。
そういうことではありません。

そうではなくて、
その人が少しでも働きやすくなるように、こちらの関わり方を調整する力だと思っています。

  • この人は大勢の輪が苦手なんだな → なら、1対1で話そう
  • この人は雑談より仕事の話の方がしやすいんだな → なら、そこから入ろう
  • この人は自分から前に出るのが苦手なんだな → なら、役割が見えるようにしよう

そんなふうに、こちらが少し変えるだけで、相手はずいぶん楽になることがあります。


私が今、この女性パートさんに対してやろうとしていること

大げさなことではありません。
今のところ、私がやろうと思っているのはこのくらいです。

  • 1日1回は、1対1で短く話す
  • 仕事の話を中心に、答えやすい話題を置く
  • 少しでも意見が出たら、ちゃんと受け取る
  • みんなの前で急に振らない
  • 丁寧さや得意な部分を、さりげなく見える形にする
  • 「この人には話しかけても大丈夫」と思ってもらう

たったこれだけですが、こういうことは案外効きます。

職場で本当に大事なのは、全員が同じように明るくなることではなく、
それぞれが働きやすい入口を持てることなのかもしれません。


まとめ|輪に入れない人への関わり方で大事なこと

最後に、今回のポイントをまとめます。

輪に入れない人を無理に変えようとしない

「もっと話した方がいい」「もっと輪に入った方がいい」と押すより、まずはその人の負担を減らすことが大事です。

まずは1対1の会話を増やす

大勢の輪に入る前に、安心して話せる相手を一人作る。
それだけで、職場での居心地はかなり変わります。

仕事の話から入り、少しずつ意見を引き出す

雑談より先に、仕事の話。
「聞いたら答える」から、「少し意見を言える」へ。
この積み重ねが、職場への馴染みやすさにつながります。

人を見る力は、相手を変えることではない

相手に合わせて、こちらの関わり方を調整する。
その人が入りやすい入口を探す。
それが、人を見る力の使い方だと私は思っています。


おわりに

仕事ができる。
真面目。
返事も明確。

それなのに、輪に入れないだけで「何を考えているか分からない人」に見えてしまう。
職場には、そういう人がいます。

でも、その人は本当に関わる気がないのか。
ただ、入り方が分からないだけではないのか。
安心して話せる相手が、まだいないだけではないのか。

そこを一回考えてみるだけで、見え方は変わります。

私も、これからこの女性パートさんと少しずつ関わりながら、どんな距離感が一番働きやすいのかを探っていきたいと思っています。

同じように、職場で「無口な人との距離感」や「輪に入れない人との関わり方」に悩んでいる方の参考になればうれしいです。

かずお|人を見る力 × AI

60代。介護施設の給食現場で働く調理師。
都心ホテル、東京・虎ノ門での店の経営など、40年にわたり接客の現場で約96万人のお客様と向き合ってきました。
現在は「人を見る力」と「AI時代の学び」をテーマに、ブログ・note・Xで発信しています。

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