こんにちは、かずおです。
私は60才で給食業界へ転職し、現在は介護施設の厨房で働いています。
前職では40年間、飲食店を続けてきました。
同じ「食」に関わる仕事でも、飲食店と給食現場では全く違います。
60代になっても、
「そんな仕組みがあるのか」
と初めて知ることが、まだまだあります。
今回、私が初めて気になった言葉があります。
それが、
「労務費」
です。
きっかけは、最近増えてきた他現場へのヘルプでした。
私は以前から、少し疑問に思っていました。
なぜ、私がヘルプに行くのだろう?
今日は、給食現場で働いて初めて知った「労務費」と、仕事ができる人ほどヘルプに出されやすい理由について、私なりに考えてみたいと思います。

「労務費の関係でヘルプに行ってほしい」
最近、他の施設へヘルプに行く話が出るようになりました。
もちろん、給食業界は人手不足です。
誰かが休めば、人が足りなくなる。
欠員が出れば、どこかの現場から応援を出す。
これは分かります。
私も飲食業を40年やってきました。
人が足りない苦しさは、嫌というほど知っています。
だから、
「困っているなら手伝おう」
という気持ちはあります。
しかし、今回は少し違いました。
出てきた言葉が、
「労務費の関係」
だったからです。
正直に言います。
私は最初、
「労務費って何?」
と思いました。
60代まで飲食業をやってきましたが、給食会社の中で使われる「労務費」という言葉を、私は深く考えたことがありませんでした。
調べてみると、簡単に言えば人が働くためにかかる費用。
給料や賃金など、人にかかるお金です。
そこで、ようやく少し見えてきました。
人が余っているからヘルプに行くとは限らない
私は最初、
「うちの現場は人が余っているのかな?」
と思っていました。
でも、現場で働いている感覚では、決して暇ではありません。
朝から時間との勝負です。
献立を確認する。
食数を見る。
調理する。
盛り付ける。
配膳時間に間に合わせる。
洗浄する。
給食現場は、一つ時間がずれると、その後の仕事が全部ずれていきます。
人が余ってブラブラしているわけではありません。
それなのに、なぜヘルプを出すのか。
そこで「労務費」という言葉が関係してくるようです。
会社には、現場ごとに人件費の目安や予算がある。
その現場の売上や契約内容に対して、人件費が高くなれば数字が合わなくなる。
一方で、別の施設では人が足りない。
だったら、
人件費が高くなっている現場から、人手不足の現場へ人を動かす。
なるほど。
会社側から見れば、理屈は分かります。
私は経営者を40年やっていたので、数字を見る側の気持ちも多少は分かります。
利益が出なければ会社は続きません。
「現場が大変だから」
だけで人を増やし続けることもできません。
ただ、ここで一つ疑問が出ました。
なぜ私なんだ?

誰でもヘルプに出せるわけではない
少し考えてみました。
もし、人手不足の現場へ新人を一人送ったらどうなるでしょう。
「これはどこですか?」
「何グラムですか?」
「スチコンはどう使いますか?」
「次は何をすればいいですか?」
もちろん、新人なら当たり前です。
私も最初は分かりませんでした。
でも、人手不足の現場からすれば、新人を一から教える余裕がない場合もあります。
ヘルプに来てもらったのに、教える人が一人取られる。
これでは逆に仕事が増えてしまう。
では、会社は誰を送るのか。
ある程度、給食現場の流れが分かる人。
献立を見て動ける人。
分からないことを自分から聞ける人。
知らない厨房でも周りを見られる人。
そして、人間関係で大きな問題を起こさない人。
そんな人を送りたいはずです。
ここで、私は気づきました。
仕事ができないからヘルプに出されるのではない。
「この人なら何とかする」と思われているから出される場合もある。
もしかすると、私は会社から、
「かずおなら、とりあえず何とかするだろう」
と思われているのかもしれません。
ありがたい評価です。
でも、少し複雑です。
「頼られる」と「使いやすい」は紙一重
私は40年間、飲食店をやってきました。
たくさんのスタッフを見てきました。
そこで感じていることがあります。
仕事ができる人には、仕事が集まります。
文句を言わない人にも、仕事が集まります。
頼めばやってくれる人には、また頼みます。
これは、上司が悪いとは限りません。
人は自然と、
「前回やってくれたから」
「この人なら大丈夫だから」
という人に頼みます。
一度ヘルプへ行く。
問題なく仕事をする。
現場からクレームも来ない。
すると次も、
「かずおさん、お願いします」
となる。
そして、その次も。
気がつけば、
「ヘルプに行ける人」ではなく、「ヘルプに出す人」になっている。
これは少し怖いところです。
頼られている。
評価されている。
必要とされている。
そう考えれば、悪い気はしません。
しかし、
「頼られる」と「使いやすい」は紙一重です。
私は今回、そこに気づきました。
本人の希望と会社の見方は違う
私は今の現場が好きです。
60才で給食業界へ転職し、最初は何も分かりませんでした。
給食独特の流れ。
スチコンの使い方。
食数。
盛り付け。
時間管理。
少しずつ覚えてきました。
人間関係もできてきました。
若いスタッフとも話ができるようになりました。
自分なりの働き方も見えてきました。
だから私は、
基本的には今の現場で働きたい。
そう思っています。
しかし、会社から見れば違うのかもしれません。
「給食経験がある」
「他現場でも動ける」
「調理経験が長い」
「人間関係で大きな問題を起こさない」
つまり、
「どこでも働ける人」
と見られている可能性があります。
ここに、会社と本人の認識のズレがあります。
私は「今の現場で働きたい人」。
会社は「他現場にも出せる人」。
同じ人間を見ているのに、見え方が違う。
面白いものです。
何も言わなければ「大丈夫な人」になる
私は今回、自分の希望を伝えました。
「基本的には今の現場で働きたい」
もちろん、ヘルプを全部拒否するつもりはありません。
本当に困っているなら、できる範囲で協力したい。
私も40年間、人を使う立場にいました。
急な欠員の大変さは分かります。
でも、
何も言わずに全部受けることと、協力することは違う。
ここは大事だと思います。
何も言わなければ、
「あの人は大丈夫」
と思われます。
一度我慢する。
また頼まれる。
また我慢する。
そして、ある日突然、
「もう無理です」
となる。
上司は驚きます。
「え?今まで何も言わなかったのに」
でも本人は、
「ずっと我慢していた」
と思っている。
職場では、よくある話です。
だから私は最近、
自分の希望は、穏やかに言葉にした方がいい
と思うようになりました。
怒る必要はありません。
喧嘩する必要もありません。
「ヘルプは必要なら協力します。ただ、基本的には今の現場で働きたいです」
それでいい。
相手に自分の考えを伝えておく。
これも、人間関係の距離感だと思います。
60代、また一つ勉強になった
60代で給食業界へ転職して、私はまだまだ知らないことばかりです。
今回の「労務費」もそうでした。
最初は、
「なぜ私がヘルプに行くんだ?」
という疑問でした。
でも少し調べ、考えてみると、会社側の事情も見えてきました。
労務費。
人手不足。
現場ごとの人員配置。
そして、動かしやすい人材。
会社には会社の事情がある。
現場には現場の事情がある。
そして、働く人には働く人の希望がある。
どれか一つだけ見ていても、人間関係は分かりません。
今回、私が一番感じたのは、
仕事ができる人ほど、自分の希望を言葉にした方がいい
ということです。
頼られるのはありがたい。
でも、頼まれたことを全部引き受ける必要はない。
協力はする。
でも、自分の希望も伝える。
60代。
人を見るだけでは足りません。
自分がどう見られているのかを見ることも大切なのかもしれません。
今回も、給食現場で一つ勉強になりました。
まだまだ知らないことがあります。
だから面白い。
60代、今日も勉強中です。


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