【給食現場の人間関係】無口な人にやってはいけない接し方5選|輪に入れない人を追い込まないために

給食調理・人間関係

こんにちは、かずおです。

私は60代で給食業界へ転職し、現在は介護施設の厨房で働いています。
前職では飲食店を40年続け、たくさんのお客さんやスタッフと関わってきました。

その経験から感じているのが、職場の人間関係は、性格よりも距離感で決まることが多いということです。

前回までの記事では、介護施設の厨房で働く50代の女性パートさんについて書きました。

仕事はできる。
真面目。
返事も明確。
でも、みんなの話の輪にはあまり入らない。

最初は「仕事が面白くないのかな」と思いましたが、1対1で話してみると、彼女はこう言いました。

「私、人見知りなんです」

この一言で、私は見方を変えました。

話に入らないのではなく、入りにくいだけ。
やる気がないのではなく、人見知りでタイミングがつかめないだけ。

こういう人は、給食現場や厨房に限らず、どこの職場にもいると思います。

今回は、そんな無口な人・輪に入りにくい人にやってはいけない接し方について、私なりに整理してみます。


無口な人への接し方を間違えると、さらに話さなくなる

まず最初に言いたいのは、無口な人に対して、こちらが良かれと思ってやったことが逆効果になることがある、ということです。

「もっと話した方がいいよ」
「遠慮しなくていいよ」
「みんなの輪に入りなよ」

言っている側に悪気はありません。
むしろ、職場に馴染んでほしいという気持ちから出る言葉かもしれません。

でも、言われた本人からすると、こう感じることがあります。

「話せない自分を責められている」
「みんなの前で目立たされた」
「やっぱり自分は浮いているんだ」

そうなると、さらに口数が減ります。
本音を言わなくなります。
そして、ますます輪に入れなくなる。

だからこそ、無口な人に対しては、何をするか以上に、何をしないかが大事だと思っています。


1. 皆の前で急に話を振る

これは、ついやってしまいがちです。

みんなで盛り付けの話をしているときに、

「〇〇さんはどう思う?」
「〇〇さんも何か言ってよ」
「ほら、黙ってないで」

こうやって、皆の前で急に振ってしまう。

話せる人からすると、普通の声かけかもしれません。
でも人見知りの人、輪に入るのが苦手な人にとっては、かなり負担になります。

急に全員の視線が自分に向く。
何か言わなければいけない。
うまく言えなかったらどうしよう。

そう考えた瞬間、言葉が出なくなる人もいます。

特に厨房のような忙しい現場では、会話にもスピードがあります。
そのスピードの中で急に振られると、余計に焦ります。

こういう人には、皆の前でいきなり話を振るより、先に1対1で聞いておく方がいいです。

たとえば、

「この盛り方、〇〇さん的にはどっちがやりやすいですか?」

と、1対1で聞いておく。
そこで出た意見を、あとで軽く橋渡しするくらいがちょうどいいと思います。


2. 「もっと話した方がいい」と正論で押す

無口な人に対して、つい言いたくなる言葉があります。

「もっと話した方がいいよ」
「自分から入っていかないと」
「黙っていると損するよ」

確かに、正論です。

職場では、ある程度の会話は必要です。
連携も必要です。
困ったときに声を出すことも大事です。

でも、正論はタイミングを間違えると、相手を追い込みます。

本人も、分かっている場合が多いのです。

本当はもっと話した方がいい。
輪に入った方がいい。
黙っていると誤解される。

それを分かっていても、できないから困っている。

そこに「もっと話した方がいい」と言われると、本人からすると、できない部分を改めて指摘されたように感じることがあります。

だから私は、無口な人に対して、いきなり正論で押すより、話しやすい入口を作る方が大事だと思っています。


3. 勝手に「やる気がない」と決めつける

無口な人は、誤解されやすいです。

話さない。
笑わない。
雑談に入らない。
反応が薄い。

これだけで、周りからこう思われることがあります。

「あの人、やる気あるのかな」
「仕事が面白くないのかな」
「職場に馴染む気がないのかな」

でも、これは危ない見方です。

実際には、仕事は真面目にやっているかもしれません。
手はしっかり動いているかもしれません。
ただ、感情表現や雑談が苦手なだけかもしれません。

私が見ていた50代の女性パートさんもそうでした。

仕事はできる。
返事も明確。
でも輪に入らない。

最初は私も「仕事が面白くないのかな」と感じました。
でも話してみると、理由は「人見知り」でした。

見えている態度だけで判断すると、人を見誤ります。

人を見る力とは、相手を一瞬で見抜くことではなく、
決めつける前に、もう一歩見ることだと私は思っています。


4. いきなりプライベートに踏み込む

無口な人と距離を縮めようとして、いきなりプライベートな話を聞く人がいます。

「家族は?」
「休みの日は何してるの?」
「なんであまり話さないの?」
「前の職場ではどうだったの?」

もちろん、関係ができていれば普通の会話です。
でも、まだ距離がある相手には重く感じられることがあります。

特に人見知りの人は、いきなり自分のことを聞かれると、警戒することがあります。

私は、こういう人には、まず仕事の話から入る方が自然だと思っています。

「この作業、やりやすいですか?」
「この盛り付け、どっちが早いですか?」
「ここ、少しやりにくいですよね」

仕事の話なら、答えやすい。
しかも、相手の考え方も見えてきます。

そこから少しずつ、軽い雑談に進めばいい。
順番を間違えないことが大事です。


5. 明るい人と同じ関わり方を求める

職場には、いろいろな人がいます。

明るく話す人。
冗談が得意な人。
自分から輪に入れる人。
黙々と仕事をする人。
聞かれたら答えるけれど、自分からはあまり話さない人。

全員に同じ関わり方を求めると、無理が出ます。

明るい人には合う声かけでも、無口な人には負担になることがあります。
みんなの前で冗談を言われて喜ぶ人もいれば、困ってしまう人もいます。

人によって、安心する距離感は違います。

だから私は、相手に合わせて関わり方を変えることが大事だと思っています。

よく話す人には、テンポよく返す。
慎重な人には、少し待つ。
人見知りの人には、1対1で短く話す。
自分から言えない人には、仕事の話から意見を聞く。

これが、現場での人を見る力の使い方だと思います。


無口な人には「変える」より「入口を作る」

無口な人を、無理に明るく変える必要はありません。

大事なのは、その人が少しでも働きやすくなる入口を作ることです。

たとえば、

  • 1対1で話せる相手を作る
  • 仕事の話から入る
  • 皆の前で急に振らない
  • 少しでも意見を言えたら受け止める
  • 得意な作業や丁寧さを見える形にする

これだけでも、その人の居心地は変わります。

職場で本当に大事なのは、全員を同じ性格にすることではありません。

それぞれが、自分に合った形で働けること。
必要なときに声を出せること。
困ったときに相談できる相手がいること。

その方が、よほど現実的です。


まとめ|無口な人への接し方で大事なこと

無口な人、輪に入りにくい人に対して、やってはいけない接し方をまとめます。

  1. 皆の前で急に話を振る
  2. 「もっと話した方がいい」と正論で押す
  3. 勝手に「やる気がない」と決めつける
  4. いきなりプライベートに踏み込む
  5. 明るい人と同じ関わり方を求める

どれも、悪気なくやってしまいがちなことです。

でも、相手によってはそれが負担になります。
そして、さらに口を閉ざしてしまうことがあります。

私が思う人を見る力とは、相手を評価する力ではありません。
その人に合った距離感を探す力です。

話さない人には、話さない理由がある。
輪に入れない人には、その人なりの入り方がある。

そこを見ようとするだけで、職場の人間関係は少し変わると思っています。


おわりに

給食現場や介護施設の厨房は、時間に追われる仕事です。
忙しいからこそ、つい相手を見た目の印象で判断してしまうことがあります。

でも、仕事ができて真面目な人ほど、口数が少ないだけで損をしている場合もあります。

「話さない=やる気がない」ではない。
「輪に入らない=関わる気がない」でもない。

ただ、その人にはその人の距離感がある。

私はこれからも、無理に相手を変えようとするのではなく、
その人が少しでも働きやすくなる入口を探していきたいと思います。

同じように職場の人間関係で悩んでいる方の参考になればうれしいです。

かずお|人を見る力 × AI

60代。介護施設の給食現場で働く調理師。
都心ホテル、東京・虎ノ門での店の経営など、40年にわたり接客の現場で約96万人のお客様と向き合ってきました。
現在は「人を見る力」と「AI時代の学び」をテーマに、ブログ・note・Xで発信しています。

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