こんにちは、かずおです。
私は介護施設の給食現場で、スチコンを使って調理しています。
スチコンでほうれん草を加熱するとき、
「何℃で何分加熱するの?」
「きれいな緑色を残すには?」
「水分はどのくらい切ればいい?」
と迷うことはありませんか。
私の現場で使用しているほうれん草は、ほぼ冷凍で納品されます。
その冷凍ほうれん草を解凍せず、そのままホテルパンにあけて加熱します。
設定は、次のとおりです。
- スチームモード
- 100℃
- 予熱なし
- 加熱時間10分
ただし、ほうれん草は10分加熱して終わりではありません。
加熱後の「冷却」と「水切り」で、色も味も変わります。
今回は、私が実際に行っている方法と、失敗から学んだことを紹介します。
冷凍ほうれん草はそのままホテルパンへ
私の現場では、冷凍ほうれん草を解凍せず、袋からそのままホテルパンにあけます。
袋を開けて、ホテルパンにザッと入れる。
包丁もまな板も必要ありません。
冷凍野菜のありがたさを感じる瞬間です。
「ずいぶん楽ですね」
そう思われるかもしれません。
確かに、ここまでは楽です。
しかし、ほうれん草との本当の勝負は、加熱後に始まります。

スチームモード100℃で10分加熱
冷凍ほうれん草をホテルパンに入れたら、スチコンで加熱します。
私の現場では、スチームモード100℃、予熱なしで10分です。
私が行っている基本的な流れは、次のとおりです。
- 冷凍ほうれん草を袋から出す
- 凍ったままホテルパンに入れる
- スチームモード100℃に設定する
- 予熱なしで10分加熱する
- 加熱後、すぐに取り出す
- 大きなザルへ移して水で急速冷却する
- 適度に水分を切る
- 調味料やほかの食材と和える
スチコンの機種や、一度に加熱する量によって仕上がりは変わります。
ホテルパンへ厚く入れすぎると、中心部分の加熱状態が変わることもあります。
初めて調理するときは、10分という数字だけを信じ切らず、実際の状態を確認してください。
給食調理では、施設で決められた加熱基準や衛生管理のルールを守ることが最優先です。
加熱後は大きなザルで急速冷却
私は加熱が終わったほうれん草を、すぐに大きなザルへ移します。
そして、たっぷりの水を当てて急速冷却します。
水で急速に冷やす理由は、ほうれん草の緑色を、できるだけきれいに残したいからです。
加熱後、すぐに水で冷却すると、鮮やかな緑色がはっきり残ります。
その後に温かい食材と混ぜても、比較的きれいな緑色を保つことができます。
給食は味が一番大切です。
しかし、見た目も大切です。
ほうれん草まで疲れた顔をしていると、食べる人の食欲も下がってしまいます。
やはり、ほうれん草には元気な緑色でいてもらいたいものです。
加熱中に冷却の準備をする
大量調理では、スチコンから取り出した後の動きが大切です。
加熱が終わってから、
「大きなザルは、どこだ?」
「ほかの人が使っている!」
となると、その間にも余熱で加熱が進みます。
私はスチコンで加熱している間に、
- 大きなザルを用意する
- 冷却する場所を空ける
- すぐに水を流せる状態にする
などの準備をしています。
スチコンの終了音は、冷却開始の合図です。
「あとで冷やそう」は、ほうれん草には通用しません。
冷却方法にはそれぞれ長所と短所がある
ほうれん草の冷却方法は、水冷却だけではありません。
現場によっては、穴あきバット、空冷、冷蔵庫などを使います。
どの方法にも、メリットとデメリットがあります。
大きなザルで水冷却する
これは、私が行っている方法です。
大きなザルへほうれん草を移し、たっぷりの水を当てて一気に冷却します。
メリットは、短時間で冷やしやすく、緑色が鮮やかに残ることです。
温かい食材と混ぜた後も、きれいな色を保ちやすくなります。
一方、大きなザルは使用後の洗浄と後片付けが大変です。
大きいので、洗うときも保管するときも場所を取ります。
ほうれん草の色はきれいに残りますが、厨房の片隅には大きなザルが残ります。
世の中、すべてが丸く収まるとは限りません。
穴あきバットで冷却する
穴あきバットを使えば、ほうれん草を別のザルへ移さず、そのまま冷却できます。
移し替える手間がないのはメリットです。
ただし、穴あきバットでは、大量の水を一気に流せない場合があります。
勢いよく水を流すと、バットから水があふれ、周囲にこぼれてしまうからです。
そのため、大きなザルと比べると、急速に冷やしにくいことがあります。
また、使用後は穴あきバットを洗わなければなりません。
大きなバットは、洗浄中も保管中も場所を取ります。
そのまま冷却できるのは楽ですが、そのまま片付くわけではありません。
空冷や冷蔵庫で冷却する
空冷や冷蔵庫でも、ほうれん草の緑色は残ります。
水を大量に使わずに冷却できるため、作業は比較的楽です。
ただし、私の経験では、水で急速冷却したときよりも、緑色がややくすんで見えることがあります。
また、冷蔵庫へ入れる場合は、別の注意が必要です。
冷蔵庫の故障や、ほうれん草を入れたまま出し忘れるミスです。
給食現場では、同時にいくつもの作業が進みます。
「あとで出そう」と思っているうちに、別の仕事が次々とやってきます。
冷蔵庫は冷やしてくれますが、
「そろそろ出したほうがいいですよ」
とは教えてくれません。
入れた人が責任を持って、時間と状態を確認する必要があります。
自分の現場に合った冷却方法でいい
私は、大きなザルを使った水冷却が自分に合っています。
しかし、この方法だけが正解だとは思っていません。
作業人数、厨房の広さ、使用できる器具、冷却設備、調理量は、現場によって違います。
どの方法にも、メリットとデメリットがあります。
最終的に、
- 安全に冷却できる
- おいしく仕上がる
- 緑色がきれいに残る
- 現場で無理なく続けられる
この条件を満たしていればいいと思います。
自分と自分の現場に合った方法を選んでください。
一番難しいのは「適度な水切り」
ほうれん草を冷却した後は、水を切ります。
ここで大切なのが、適度に水分を切ることです。
しかし、この「適度」が難しいのです。
水分を切りすぎてもいけない。
水分が多すぎてもいけない。
ほうれん草は、最後まで調理師を試してきます。
水分を切りすぎると人数分取れない
給食では、一人分の提供量が決まっています。
ほうれん草の水分を切りすぎると全体の重量が減り、盛り付けのときに人数分取れなくなることがあります。
ベテランなら、全体量を見ながら、一人分の盛り付け量を微調整できます。
しかし、新人さんは一人分をグラムで量り、正確に盛り付けることが多いです。
決められたグラム数で盛り付けていくと、最後の数人分が足りなくなることがあります。
最後のほうになって、何度ザルの底を見ても、ほうれん草は増えてくれません。
私も、薄味になりすぎるのが嫌で水分を切りすぎ、人数分に足りなくなって焦った経験があります。
おいしくしようと思って水を切った結果、今度は量が足りない。
大量調理の難しいところです。
水分が多すぎると味が薄くなる
反対に、水分が多すぎると調味料が薄まり、味がぼやけます。
調理した直後はちょうどよくても、時間がたつとほうれん草から水分が出て、食べる頃には味が薄くなることもあります。
特に病院給食などでは、調味料を計量して調理します。
味が薄いからといって、調味料を好きなだけ追加するわけにはいきません。
決められた調味料の中へ余分な水分が入れば、さらに薄味になります。
病院給食が「おいしくない」と言われる背景には、このような水分管理の難しさもあるのではないかと、私は感じています。
ほどよい水分量は経験で身につける
では、どのくらい水を切ればいいのでしょうか。
正直に言えば、これを数字だけで説明するのは難しいです。
食材の量や状態、その日のほうれん草によっても変わります。
実際に何度も調理し、盛り付け、食べて確認する。
その繰り返しで、自分なりの「ほどよい水分量」が分かるようになります。
新人さんにとっては、難しい部分です。
しかし、失敗した経験も、次の調理に役立ちます。
私も、水分を切りすぎて足りなくなった経験があるからこそ、今は味だけでなく、提供できる全体量も意識しています。
失敗したときは焦ります。
しかし、失敗は次回の調理に使える、大切なデータでもあります。
調理直後だけでなく、まかないでも味見する
私は調理したときに、必ず味見をします。
しかし、それだけではありません。
まかないで実際に食べるときにも、味や状態がどのように変化したかを確認しています。
確認するのは、次のような点です。
- 味が濃すぎないか
- 味が薄すぎないか
- 硬くないか
- やわらかすぎないか
- 緑色が残っているか
- 甘味を感じるか
- 最後に「おいしい」と思えるか
調理した直後はちょうどよくても、提供する頃には水分が出て、味が薄くなっていることがあります。
温かい食材と混ぜたことで、色や食感が変わることもあります。
実際に提供される状態で食べて確認する。
その経験が、次の調理に役立ちます。
まかないは、ただのお昼ごはんではありません。
私にとっては、調理結果を確認する答え合わせの時間でもあります。
まとめ|安全でおいしく作ろうとする意識
私が冷凍ほうれん草をスチコンで調理するときの設定は、次のとおりです。
- 冷凍のままホテルパンに入れる
- スチームモード100℃
- 予熱なし
- 加熱時間10分
- 加熱後は大きなザルで水冷却
- 味と提供量を考えながら適度に水を切る
冷却方法には、それぞれメリットとデメリットがあります。
どの方法が正解かではありません。
自分の現場に合った方法を選び、最終的に安全で、おいしく、色よく仕上げることが大切です。
そして、調理直後だけでなく、実際に食べるときにも味、硬さ、色を確認する。
その繰り返しが、次の調理に生きてきます。
結局は、どれだけ意識して調理しているか。
そして、安全でおいしい給食を作ろうという気持ちがあるか。
そこに尽きると、私は思います。
※加熱時間や仕上がりは、スチコンの機種、冷凍ほうれん草の量、ホテルパンへの入れ方などによって変わります。勤務先の調理手順や衛生管理基準を優先し、食材の状態や必要な温度を確認してください。

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